三毛に教えられて行ってみた外科医院は、ヨボヨボのおじいさん先生で、傷口を診もせず、カルテを手書きしてるだけだったそうだ。
中年の看護婦さんが、消毒薬を塗りながら、
「私の仕事が終わるのが、大体夜の8時頃なんですが、お母さんが歩いてはるのを、時々見かけてて。
危ないなぁ、と思ってたんですが、
この程度のケガで済んだからよかったモノの、骨でも折ったら大変なことになりますよ。
夜に出歩かない様、よく言っておいてくださいね」
いやいや、夜に出歩いているなんて、誰も、想像だにしてなかった。
そして、金曜日の夜、姉ゴンは明日の「夫の一周忌」のため、自宅へ戻った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
日曜の朝10時、電話で起こされた。
朝寝坊の三毛を起こすのは誰だ(怒)
「T病院ですが、三毛野ニャン子さんでしょうか」
「尻尾野 先子さんとは、どういうご関係でしょうか?」
「はい、娘になりますが」
「ああ、よかったぁ、やっと連絡がついた。 お母さんですが、ヨボヨボ外科医院の前で倒れていたので、救急搬送されました」
「えっ?、意識とかは?」
「問題ありません。CTも正常で、頭部の皮膚を縫合しただけなんですが、一人では帰れそうにないので」
「ところで、三毛野さんは今、どちらにおいでですか?」
あ、そうか。三毛は携帯しか持ってないから、病院としては、三毛がどこに居るか分からんよなぁ。
地名で言うとややこしい場所なので
「タクシーで1000円くらいの所にいます」
「お待ちしてます」
T病院の救急外来へ行くと、母はまだ、ベッドに寝かされていた。
看護婦さんが、ツカツカっとやってきて、
「こんなヨロヨロのお婆さんを、何時から一人暮らしさせているんですか!!」
数日前まで普通に見えていた、と言っても信じてもらえないだろう。
「すみません。 とりあえず私の家へ連れて帰り、姉と相談します」 ー続くー
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中年の看護婦さんが、消毒薬を塗りながら、
「私の仕事が終わるのが、大体夜の8時頃なんですが、お母さんが歩いてはるのを、時々見かけてて。
危ないなぁ、と思ってたんですが、
この程度のケガで済んだからよかったモノの、骨でも折ったら大変なことになりますよ。
夜に出歩かない様、よく言っておいてくださいね」
いやいや、夜に出歩いているなんて、誰も、想像だにしてなかった。
そして、金曜日の夜、姉ゴンは明日の「夫の一周忌」のため、自宅へ戻った。
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朝寝坊の三毛を起こすのは誰だ(怒)
「T病院ですが、三毛野ニャン子さんでしょうか」
「尻尾野 先子さんとは、どういうご関係でしょうか?」
「はい、娘になりますが」
「ああ、よかったぁ、やっと連絡がついた。 お母さんですが、ヨボヨボ外科医院の前で倒れていたので、救急搬送されました」
「えっ?、意識とかは?」
「問題ありません。CTも正常で、頭部の皮膚を縫合しただけなんですが、一人では帰れそうにないので」
「ところで、三毛野さんは今、どちらにおいでですか?」
あ、そうか。三毛は携帯しか持ってないから、病院としては、三毛がどこに居るか分からんよなぁ。
地名で言うとややこしい場所なので
「タクシーで1000円くらいの所にいます」
「お待ちしてます」
T病院の救急外来へ行くと、母はまだ、ベッドに寝かされていた。
看護婦さんが、ツカツカっとやってきて、
「こんなヨロヨロのお婆さんを、何時から一人暮らしさせているんですか!!」
数日前まで普通に見えていた、と言っても信じてもらえないだろう。
「すみません。 とりあえず私の家へ連れて帰り、姉と相談します」 ー続くー
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