大学病院というのは、国家試験に合格したばかりのインターンに見せるための、典型的な症状を持っているが、手間のかからない患者と、その時々に研究している病気の患者を集めるための病院です。

例えば聴力検査。街の耳鼻科へ行けば手慣れた看護婦さんが5分でやってくれます。
ところが、生まれて初めての聴力検査にインターンがモタついて、30分かかっても、文句は言えません。

聴力検査は無害な検査ですから、いいのですが、エビデント(=医員。この場合は、インターンを卒業して、消化器外科に進もうとしている新米の医師)が、盲腸の手術をしても、文句は言えません。

三毛は10年前、ウツが酷くて5分も座ってられない状態になった。でもどこの病院に入院すればいいのか、分からなかった。
姉ゴン(三毛の実の姉)が、比較的近いB私立大学病院(入院設備あり)で、ECTの患者を募集しているのを、探してきてくれました。

ECT(電気けいれん療法)というのは、昔からある治療法で、左右のこめかみに電極をあて、特殊な波形の100Vの電気を1秒間流す、というものなのですが、短時間の全身麻酔でするので、今は安全な治療法となっています。

ところが、そのECTがとてもよく効く患者がいる一方、全然効果のない患者がいる。
それを血液検査で見分けることが出来ないか、という研究に参加させてもらうために、大学病院に入院させてもらいました。

研究に参加といっても、ECTの合間の決まった時期に、2ccづつ、5回、採血があっただけでした。

あと、学生に見せるための、典型的な症状を示している患者も置いておかなければイケない。

三毛が入院している時に、そううつ病Ⅰ型の中年女性が入院していたのですが、大声のマシンガントーク(早口過ぎて、何を喋っているか分からない)と多動。
でも多動といっても、決して他の患者にぶつかったりしない様に早足で歩き回っている。
食事は放っておいてもキレいに完食。

1日に3時間くらいしか寝ないでマシンガントークが続くのだけど、夜のマシンガントークは、他の患者の安眠妨害。
で、就寝時間になると保護室(=安全さを第一に考えてある個室)に入るワケで、マシンガントークでしゃべってはいるのだけど、看護婦さんの指示に従い、おとなしく保護室に入っていく。

そう状態が収まって、退院が近くなった時に「そう状態の時は、いつでもこの大学病院に入院させてもらえるの?」と聞いたら
「イエス」との返事。
理想的な、病気見本患者だもんねぇ。

背中に見たこともない丈夫な水ぶくれが、数えきれないほどできた友人が、「どこの皮膚科にいっても、原因不明」と言われた。
思い切って超有名国立大付属病院に行ったら(研究用に1×1cmくらいの皮膚を切り取られたが)、すぐ「類天ぽうそう」と分かり、2ケ月くらいの飲み薬で治った。

でも、今の三毛は、そういう患者ではニャイ。
市民病院クラスのところが、一番いいんだよ。
超有名国立大付属病院には、行きたくないよw

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