Dr「お薬手帳はお持ちですか?」
 〃 「デパケンが処方されていますが、てんかんをお持
 ちですか?」
私「いいえ、そううつ病です」

Drの話の内容が、急に変わった。

Dr「心拍数が多いです。一番多い原因はバセドウ氏
 病です。
 採血の時、甲状腺機能の項目も入れますが、よろし
 いでしょうか?」
血液検査の項目を増やすくらいのことで、医師から了承を求められたのは、初めてだ。

Dr「このプリントアウトした紙の、A病院とは、具体的にどこですか?」
私「〇〇総合病院です」

Dr「CTは、昨年の春に撮影したものでいいのですが、
 近くの病院だけに、データを下さいとは言いにくい
 です。
 もう一度撮り直すことにしたいですが、よろしいでしょ
 うか?」

Dr「CTに少しでも腫れがあれば、私は積極的に摘出す
 る主義です。胸を開ける大きな手術になりますし、傷
 跡も大きいです」

「この病院に転院されるお気持ちはありますか?」

この先生なら大丈夫だ。
精神病を持った私を、丸ごと、受け入れてくれている。
頭を下げながら、「よろしくお願いいたします」

Dr「では、救急病棟で採血とテンシロンテストをします。
 この建物の一番向こうになります。クルマ椅子を用意
 しましょうか?」
私「いえ、歩けます」
事務の女性が案内してくれた。

テンシロン試験は、横になったままでいいのだが、30分ほどかかる。

Dr「副作用が出たら、テストに使った薬は注射ですぐ中
 和できますから、心配ありません」
最初の2回の注射の後は、看護師さんがついていてくれ、それ以降の注射の後は、先生が付いていてくれた。

Dr「目を開けてみて下さい」
驚くほどパッチリと開く。

それから足の診察。
Dr「膝を立てて下さい、かかとを持ち上げますから、
 私の手を、おもいっきり下に下げてください。」
 〃 「今度は右足です」

Dr「もう一度、膝を立てて下さい。こんどは膝に当てた
 私の手を、お腹の方へおもいっきり押して下さい」
 〃 「今度は右足」

Dr、独り言のように「こんなに力が落ちているのか!!」

「ふくらはぎの筋肉の力が残っているので、なんとか歩けていますが、太腿の筋肉は、とっくに歩けないラインになってます」

「前の病院で処方されていたプレドニン(副腎皮質ホルモン)20mgは、今の状態として適切な量だと思います。
次の診察までの、〇日分追加の薬を渡しておきますが、3月〇日にCTなどの検査の予約を入れておきますので、来て下さい」 

これからは納得のいく治療が受けられる。
筋なんたら病はどうなるか分からないが、たとえ人工呼吸器に繋がれることになっても、この先生の判断なら、身を委ねたい。

                 -終わり- 

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